「学び」の深層③ー「教える教育」と「教えない教育」ー
「學び」:伝統的な「学び」を支えていたのは「教えない教育」と表現すべき教育のスタイルでした。それは、明治期以降の「教える教育」が当たり前になっている現代日本人にはなかなかイメージできないもののようです。1世紀半の時を経た今日においては、例えば、武道や芸道の世界(の一部)において見い出されるとは言え、全体としてはマイナーにみえるものです。
「教える教育」とは、現在の日本に生きている私たちが普通に受けてきた教育のあり方で、あらかじめ定められた意図的・明示的計画(教育課程-年間指導計画-単元計画ー学習指導案)に従って、教師が「教授」を積み上げます。それに際して、児童・生徒は、教師が「教授」したことを「学習」するというものです。
それに対して、「教えない教育」においては、そもそもこの意味での「教授」が行われないのです。(ですので、この記事では、「敎へ」:伝統的な「教え」と表記しておきます。)