「しつけ」を語源的に見てみると。

  辞書(『大辞林 Ver.4』)に示された「しつけ」の3つの意味の関係を読み解いてみると次のようになるでしょう。

  ③作物を整然と「植え付ける」 → 着物に糸を等間隔に直線的に刺す(=縫う) → 着物を縫う上で、最初から本縫いをしてしまうと失敗することが多いため、②あらかじめ「ざっと縫い合わせ」た(布がずれないように緩やかに固定した)上で本縫いをする → 布がずれないのと同じように、人の道(共同体のルールやマナー)に外れないように緩やかに①行儀作法を教える ~ ただし、行儀作法というのは厳格に守られるべきものである。

  このように、「しつけ」には、本来の過程(最初からギリギリ縛り上げるのではなく、緩やかに導いていく)に由来する緩やかに行われるものとその結果(行儀作法がしっかり身についている)を重視すること、すなわち厳格に守ることに由来する厳しく行われるものとの両方が含まれているのです。