理解をもたらすカリキュラム設計とは?②ーなぜ「逆向き設計」論は「逆向き」と呼ばれる?ー

「逆向き設計」論が「逆向き」と呼ばれる理由は2つあります。

1つ目は、単元末や学年末といった最終的な子どもたちの姿から遡って(逆向きに)単元やカリキュラムが設計されるためです。2つ目は、時に授業の後で考えられがちであった評価方法を含めて事前に設計することが求められるためです。

1つ目の、子どもたちに最終的に育てたい力を意識して、教育活動を設計することについては、きっと多くの先生はこれまでにも取り組んで来られたのではないでしょうか。一方で、2つ目に関しては、目標に基づいて教育活動を設計・実践していたとしても、「テストは授業が終わってから作っていた」というように、評価方法は教育活動の「後」に考えていたという先生ももしかしたらおられるかもしれません。後から考えられがちな評価方法を含めて事前に教育活動を設計する点に従来の考え方との違いがあるといえるでしょう。

引用・参考文献

・Grant Wiggins, Jay McTighe(著)、西岡加名恵(訳)『理解をもたらすカリキュラム設計―「逆向き設計」の理論と方法』日本標準、2012年。
・奥村好美「理解をもたらすカリキュラムの設計とは」奥村好美、西岡加名恵(編著)『「逆向き設計」実践ガイドブック―『理解をもたらすカリキュラム設計』を読む・活かす・共有する』日本標準、2020年、pp.10-16。