理解をもたらすカリキュラム設計とは?③ー「逆向き設計」論は子どもにとっての意味を問う?ー

教師は、単元やカリキュラムを設計する際、「どのような目標を設定し、どのような評価方法を考え、どのような指導を計画しよう」というように、自分を主語にして考えがちです。もちろん、教師が自身の指導計画を設計していくため、そのように考えるのは自然なことです。けれども、同時に「子どもは何を知り、理解し、できるようにならなくてはならないのか、子どもはどのように求められていることを達成したと示せるのか、子どもはどのような学習経験を必要としているのか」といった子どもを主語にした問いがなくては、子どもたちに必要な学習が本当に生じたかはわかりません。

「逆向き設計」論を提唱するウィギンズ(Wiggins, G.)らは、単元やカリキュラムが、「(子どもの)学習」ではなく「(教師の)指導」にばかり焦点を合わせて設計されてしまうと、それは「意図的設計(by design)」ではなく「希望的観測(by hope)」となってしまうと考えます。それは「教師がこのような教育活動を行えば、きっと子どもたちは学力をつけるだろう」という希望にすぎないというのです。

引用・参考文献

・Grant Wiggins, Jay McTighe(著)、西岡加名恵(訳)『理解をもたらすカリキュラム設計―「逆向き設計」の理論と方法』日本標準、2012年。
・奥村好美「理解をもたらすカリキュラムの設計とは」奥村好美、西岡加名恵『「逆向き設計」実践ガイドブック―『理解をもたらすカリキュラム設計』を読む・活かす・共有する』日本標準、2020年、pp.10-16。