Q1. 「協働的な学び」と「学びあい」ってどこが違うんですか?

Question 1

 最近、「協働的な学び(学習)」ということばをよく耳にするんですが、似たような「共同学習」や「協同学習」「協調学習」も聞いたことがあります。学校現場では、「学び合い」をよく使います。何がどうちがうのですか。

Answer 1

「共同学習」「協同学習」「学び合い」などは、研究者によって説明の仕方が様々で、方法論として定義されたり、理念・考え方として定義されたりしています。これらの定義の詳細については、専門書をあたっていただくことにして、少なくとも学校現場では、主に教科学習の際に、ペアやグループで話し合うことを、そのような名前で呼んでいるのではないでしょうか。

 「協働的な学び」には、そうした教科学習における話し合い活動も含まれますが、その守備範囲はもっと広いようです。例えば、総合的な学習の時間で専門家に話を聞いたり、職場体験で地域の方々と関わることを通して学ぶことも含まれます。あるいは、学校行事や児童会・生徒会で異学年間の交流を通して学ぶことも含まれます。

 重要なのは、そうした様々な他者がもつ、自分とは異なる考え方や感性に触れ、そこから刺激を受けて、自らの考えを更新していく点です。

 したがって、「協働的な学びの充実」というのも、単に授業中の話し合いの時間を増やせば済むのではありません。子どもが、自分とは異なる考え方に触れ、自らの考えを吟味できるような仕掛けが必要です。そのためには、学級の枠を超えた様々な場で、友達や教師以外の人と出会い、関われるようなセッティングをするのはもちろんのこと、子どもが「自分はこう考える」ということを自覚できるようにさせることも不可欠であると考えます。

(宮田佳緒里)