これからの特別支援教育の言語指導①ー言語行動の概要ー
これまで多くの心理学者が「言語」についての研究を進めてきました。応用行動分析学という学問においても「言語行動」についての研究が行われてきました。応用行動分析学では、言語を用いることで個人がポジティブな結果を受け取ることができることにより、その言語が獲得されていくと考えています。例えば手の届かないところに電車のおもちゃがあって、それで遊びたいとします。また、そのような状況下で先生に「電車!」と言ったら先生が電車を取ってくれたとします。そういうことを繰り返していくうちに取ってもらいたい物品の名称を言うことによってそれをゲットできることを学習します。これが応用行動分析学の立場からの言語の発達です。
言語行動についての研究とそれを基にした発達障害児の教育実践は盛んに行われ、大きな体系となっていますが、それでも人間の言語はまだまだ複雑で、明らかになっていないこともたくさんあります。今後の教育実践の中で課題となる、また、新しい地平となりうる言語のトピックについて次回以降解説していきたいと思います。