子ども自身でトラブル解決できる力を育てる学校 ピースフルスクール

オランダのピースフルスクールプログラムとは、ニューヨークで開発されたプログラムを参考に、Eduniek社がユトレヒト大学のデ・ヴィンター(De Winter, M.)教授のもと開発したものです。週に1回ピースフルスクール独自の授業があること、ケンカなどのトラブルが起きた際に子どもが自分たちで解決できる力が育成されること、地域ぐるみで取り組みが行われることなどに特徴があります。

写真は、メディエーターと呼ばれる、ケンカの仲裁を手伝う高学年の子どもが着ているベストです。この学校では、その週の当番のメディエーターはこうしたベストを着ており、他の子どもから誰に助けを求めればいいのかすぐに分かるようになっています。この学校では、ケンカが起きた際には、まず自分たちで解決しようと試み、それが難しい場合はメディエーターの子どもに助けを求め、それでも解決できなかった時に教師が登場することになります。こうした取り組みが、将来民主社会を生きるために必要な力の育成につながると考えられています。

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奥村好美「オランダにおける市民性教育を通じた学校改善ーピースフルスクールプログラムに焦点をあてて」『教育目標・評価学会紀要』第26号、2016年、pp.21-30。