ケース会議で得られるもの(続き)
ケース会議で得られるものの第3として,対人援助職の職業人としての成長があります。教員の仕事は対人援助職の1つです。対人援助職の特徴は,まったく同じ状況・現象は二度と起こらない,ということです。毎回毎回,毎日毎日,新しいことがおこり,それにどんどん対応していかなければなりません。本や先輩の話は参考になりますが,まったく同じことはできません。
では,どうするか。対人援助職はどのようにその職業的成長を遂げられるのか,ということが問題になります。もちろん,日々の実践から私たちは学びます。全く同じでなくても似たようなことは起こるので,そこからなにがしかのヒントを日々獲得していくことは可能です。ただし,私は一人しかいませんので,私が経験できることの総量は限られています。また,私の視点でしか経験を見ることができないという限界もあり,どうしても私一人では気づかない点が日々積み重なっていきます。
ケース会議は,一人の教員が,自分以外の教員の経験を糧にし,また自分以外の教員の視点を得て,共に成長していくことができる場になるといえます。