ケース会議で得られるもの

ケース会議や,事例検討会を行うことで得られるものについて書かれたものを読むと,多くの研究者に一致しているのは,およそ次の3点にまとめられます。

  1. 事例理解の視点を得る(見立て)
  2. 問題解決策や支援策を見いだす(プランニング)
  3. 対人援助職の職業人としての成長

第1はもちろん,当該事例をどう理解したらよいか,その視点(見立て)を得るということになります。この子はどうしてこういう状況になっているのだろう,何かうまくいっていないのはわかるんだけどそれはなんなんだろうか・・・ということは,しばしばケース会議を開きたいという動機の一つになりますし,ケース会議をすることで見立てができることが期待できます。

第2は,当該事例の問題解決策や支援策を見出す(プランニング)ということになります。どこに困難があるかがわかったら,ではどう支援していこうか,学校で何ができるだろうかを考える,ということです。事例の見立てができるだけでももちろん意味はありますが,特に学校で時間のない中で集まってケース会議をするときには,このプランニングがなされたかどうかか,参加者の「やってよかった」という感じにつながりやすいと考えられます。もちろん,何が最善かは後になってみないとわからないことがほとんどです(後になってもわからないかもしれません)。それでも,状況を分析して,チームとしてまずはこれに取り組むことがよさそうだ,と決めて動けるのとそうでないのとは,教員がその児童生徒に関わる意欲に直結するのではないでしょうか。