実践セメスターの導入

実践セメスターの期間中に学生の指導を担う「学校教育教員養成センター」の様子@Recklinghausen(出典:筆者撮影 2025.11.21)

 

「大学で理論、試補勤務で実践」というように分離的な養成を行ってきたドイツですが、近年、大きな変化が起こっています。それは、大学の修士課程への「実践セメスター(Praxissemester)」の導入です。修士2年間のうちの半年間を、いわゆる教育実習として学校で過ごします。日本の教育実習は、通常2-4週間です。

どうでしょう、みなさん。来年から教育実習が半年になるのは。

確かに、教員養成において実践経験は決定的に大切です。でも、養成期間の中で実践経験を増やすことは、喜ばしいことばかりではないと思います。誰がどうやって指導するのか。どうやって受け入れるのか。その間の大学教育はどうするのか。そもそも早期に多くの実践経験を得ることが教師の専門性を高めるという保証はどこにもありません。

ここで課題の一つひとつに答えていくことはできませんが、ドイツでは大学-学校-教育委員会の連携を強化したり、「研究による学習」という新たな教育方法を導入することによって、これらを乗り越えようとしています。